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ボクは、テレビをアホみたいな顔で見ていました。
ニュースをやっていました。 「猛暑の中、白クマに氷のプレゼントです」 とか言って動物園の白クマに大きな氷を与えていました。 白クマは氷に抱きついて、そりゃあもう大変うれしそうでした。 ボクは早速、冷凍庫の氷をひとかけら取り出しました。 (ヘルメットとベルにプレゼントするんだ!) ボクは笑顔で外に飛び出します。 「うひゃあ!」 ドアのすぐ前で、気の弱そうなおじさんが叫びます。 ボクも驚いたけど、大声を上げて叫んだりしませんよ、ボクは。 「なんでしょうか?」 とボクは冷静な大人を演出しました。 すると気の弱そうなおじさんは、 「あ、あのこの本をぜひお勧めしたいのです」 と言って、本というにはあまりに薄すぎる 20ページぐらいの本を見せます。 光が~と書いてある20ページぐらいの本です。 ボクは宗教だなと思って、 「いりません、結構です」 と冷静な大人を演出して言いました。 すると気の弱そうなおじさんは、 突如興奮したかのように、ボールペンを取り出し、 「ここです、ここ!」 などと言いながら、本を開いて 下線を引きはじめました。 ちょっと力を入れすぎて破れたりしています。 (まいったなぁ~) と思っていると、 「それと、ここ!」 とか言って、指に『ブッ、ブッ!』ってツバをかけて ページをめくったりします。 「すみません、いりませんから」 というと、気の弱そうなおじさんはボクをにらみつけ、 「800円です」 などと言ってその本をボクに突き付けてきました。 驚いたね。 800円ですよ。 薄っぺらな本が。 しかも線とか勝手に引いて、破れたりして、 なおかつツバまで引っかけた物をですよ。 せめて新しいのを出しなさいよ。 とか思いましたね。 ボクは丁重にお断りしました。 すると、おじさんは (ラジオ体操の深呼吸みたいに)ゆっくりと両手を上げます。 そして、 「はぁぁぁ~あ」 とか言って合掌しだしたのでドア閉めました。 で結局、氷は溶けちゃいました。 ボクの右手の中で・・・ ボクは、ポタポタと落ちる雫を見て、 人間って何だろう? と思いました。 |
(もさり)